バブル崩壊後に企業がとったひとつの対応は、職能資格制度からのゆるやかな脱却である。非正規社員の採用は人件費の変動費化のためであるが、こちらは固定費部分をこれ以上拡大させないための対策といえるだろう。日本が戦後採用した職能資格制度は、日本的雇用の中核となる人事制度であった。職務遂行能力に応じて階級が上がり、階級の上昇に従って報酬が上がるという体系だが、この体系が長期的な視点での人材育成の基盤でもあり、年功序列賃金の基盤でもあった。
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また新卒一括採用ではじまり、定年退職で終わるまでを年次管理で行うことの基盤でもあった。職能資格制度は、戦争直後、まだGHQの支配下にあった頃に、GHQが推奨する職務制に反対してまで採用したものである。