見直される労働のルール

2011.12.16

ダンピングが容易で使い勝手のよい非正規雇用と正規雇用が競合関係に立ったとき、「悪貨は良貨を駆逐する」というフレーズを想起させるような雇用の地殻変動が始まる。格差が大きければ大きいほど、その勢いは強い。正社員は「人件費分だけ働いているか」が常にシビアに問われ、生き残るためには自らを非正規雇用と差別化できなければならない。業績と責任を問われて相応に処置されることや、過酷な長時間労働、転居を伴う転勤の受容が要求される。

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そうしたなかで、「割増賃金を支払わないのは企業が悪いわけではない、支払えるだけ稼がない方が悪い」という考え方が、少なくない職場や労働者を支配するようになってきた。それとともに時代の流れに即応できない「割高」な社員を「重荷」とする意識が広がって、その排斥に向けた圧力が加わり出す。企業を活性化して雇用意欲を高めるには、人件費分だけ働いていない効率の悪い労働者をリスクなく職から排除できなければならない。最近の労働相談でも「業績が期待しかところに到達しない」「勤務成績が資格に対応する値を満たしていない」などとして、業績や能力を理由とした解雇が広がっている様子が窺える。