既存システムの延長上にある流動化

2011.12.30

再度確認しておくと、確かに日本型雇用システムは変動を迫られている。それが高コストと高パフォーマンスの機能連関を形成するものであれば、このようなシステムを維持することが非常な困難に直面していることは間違いない。その最大の原因は、日本経済の低迷に起因する企業業績の低迷であるが、さらに市場と技術の要因から金融や教育の要因、そして高齢化や少子化の要因まで、あるいは短期の要因から中長期の要因まで、さまざまな変動要因が日本型雇用システムを襲っている。

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いずれにせよ、課題となるのは高機能連関の維持であり、そのためにさまざまな制度変更が導入されつつある。既存のシステムが雇用の定着を制度化するのであれば、現在の制度変更が雇用の流動化と報酬の個人主義化の方向を進めるものであることは間違いない。しかし、このこと自体が既存のシステムに組み込まれてきた要素であり、それが「減量経営」であり、「職能」として定義された能力主義であった。現在の制度変更はこの延長線上にあるのであり、これを強めるものであったとしても、これによって日本型雇用システム自体が破棄されるわけではない。それはむしろ、既存の構造すなわち職能システムを維持し強化するための制度変更であると理解できる。